Project DC 16.5
「このデータはどこで手に入れた?」
抑揚のない声で、ビートルと呼ばれた男が尋ねる。
「し、知らない……」
タマキは、ともすれば意識を失いそうになる強烈な快感に堪えながら、必死に答える。
「……な…ぁ………。これ……なんだよ…」
「これ? 強力な自白剤。というか、催淫剤? ぶっちゃけアンフェタミン系?」
面白そうに喋ろうとする、ラークをビートルが制する。
「余計なことは言わなくていい」
「わかったよ……」
「中身を調べたが、どうやらトラップらしい。…ネットに繋げたまま起動すると、逆探知するようにプログラミングされている」
「ばっかじゃねーの。そんなのにこっちが騙されるとでも思ってるのか?」
「まったくだ…。おまけに中身は、偽物ときている。いったい誰の差し金だ?」
「わから…ない……」
タマキは本気でそう思った。
少なくとも自分はカナエが作ったデータだと思っていた。
だけど、違った。
(きっと上層部の手垢のついたものだから……)
カナエがさっきそう言ってたのを思い出す。
自分が入院している間に調べられ、とっくにすり替えられたってことか……。
じゃあ、本物のデータを持っているのは上層部なのだろうか?
「何か、思い当たることでもあるのか?」
タマキの様子を見て、訝しむビートルに、
「何なら、体に訊いてやろうか?」
と、ラークがタマキの顎に触れてきた。
「や…、めろ……」
上気した頬を逸らそうとすると、そのまましっかりとを掴まれる。
「なんか、その表情……。嗜虐心を煽られるんだよな」
睨み付けるタマキを面白そうに眺め、それからその手をゆっくりと、首筋から胸元へゆっくりと移していく。
びくん…と、自分の意思とは関係なしに跳ねる身体に、タマキは悔しさに身を震わせた。
「ほら……。すごくいい感度。……それに、こっちもすごく反応してるし」
そのまま、タマキの下肢へと触れてくる。
タマキのそこは、服の上からでもわかるくらいに盛り上がっている。
「やっ……」
クスリのせいか、敏感になった身体は簡単に反応してしまう。
緩く触れられるだけで、信じられないくらいの快感が背筋を駆け抜けた。
「あぁ……っ……」
「マジすげえ…」
ラークが息を呑む。
「な、ビートル。こいつ、マジやっちゃわねえ?」
「……意識が飛ばない程度にな」
ビートルがため息をつきながら言った。
「なにか喋るかもしれないし……」
「了解……」
ラークがタマキの服に手を掛ける。
「やっ……やめ……」
必死に抵抗しようとするタマキ。
しかしその動きは緩慢だ。
「ふふ……。おまえなんかメチャメチャにやられちゃえ……」
後ろでレイが、暗い微笑を浮かべながら呟いた。
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