それすらも愛しき日々9(ヒカル)
(DC2キヨタカGOOD END後)
余談2…。
無事、異国で暮らし始めた二人。
ヒカルがパソコンを触っているのを、後ろから眺めるキヨタカ。
「なんかさ…。しばらく見ないうちに、キヨタカ変わったな」
「どんな風に?」
「なんつうか、俺にべったりだ」
「駄目か?」
「嬉しいけど、なんかキヨタカらしくなくて気が抜けるというか…」
今までなら、周りに気になる奴がいたら、すぐちょっかい出したり、楽しそうに品定めしてたものなのに。そういうのが全然ない。
「だって、もういらない…」
「キヨタカ?」
「ヒカル以外何もいらない」
そう言いながら、後ろから抱きついてくる。
そういわれて面食らうヒカル。
いつものようにからかい調でもなく、自信ありげでもなく、ただそれだけが真実だという口ぶりに驚かされる。
「お前を失くして初めて、自分の自信がどこからきていたか気付いた。お前がいなくては駄目だ。以前は何人でも愛せると自信があったけど、お前を失って誰も愛せない自分に気づいた。…お前でなくては駄目だ…。お前がいないと俺は何もできないんだ…」
「バカ…。俺にはキヨタカしかいないって言ってるのに」
キヨタカが、可愛く見える。すごく抱きしめてやりたい。
(あ…。今ならキヨタカを抱けるかも)
などと、思ったのはここだけの秘密。
(…俺が戻ったせいで、またもとの状態に戻るかもしれないしな…)
それはそれで、らしくて好きだけど。
──すっかり、キヨタカを掌握したヒカルだった。
その後、キヨタカは、一生ヒカルの尻に敷かれましたとさ。
めでたし、めでたし。
2010/07/05
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