もっと優しく2
(タマ×カゲ・カゲミツGOOD END後)
翌日、見舞いに来たタマキ。
「メール読んだよ」
「お、おう」
「俺って優しくない?」
「そ、そりゃ、」
「ごめん」
「え、いや…」
「だから、今日はもっと優しくするよ」
「えっ? えーっ。」
タマキが枕の横に右手を付く。
そして、左手で、そっと俺の頬をなぜる。
タマキの顔が迫ってくる。
見つめられて、鼓動が高鳴る。
うれしいような、怖いような。あ、でもまだ心の準備が。
「カゲミツの嫌がることはしないから」
「嫌がるというか・・・」
タマキをいつも、どれほど渇望したかしれないのに。立場が入れ替わるだけでこんなにびびるなんて、俺ってなんてチキンなんだ。
「・・・キスは嫌い?」
タマキの息が唇に掛かる。熱い。
「・・・嫌いじゃない」
思わず目を閉じる。吐息だけでも、こんなに感じるのに…。触れたら・・・。どうにかなってしまいそうだ。
タマキの唇が、そっと口をふさいだ。
「ん……っ」
それだけで鼓動が跳ね上がる。
口付けはどんどん深くなっていく。
熱い。胸が苦しい。
好きな相手とのキスがこんなに幸福と快感をもたらすなんて。
俺、もう、どうなってもいい!!
「あっと、…ここまでな」
「え…」
「病人相手にするわけにもいかないし」
「え…」
「それに、俺、実はどっちでもかまわないから」
タマキが顔を赤らめて言う。
「え…」
「続きは、退院したら、してくれればいいから」
さらに顔を赤らめてそういうと、タマキはあわてたように病室を出て行った。
「ええ〜」
安堵と落胆のないまぜになった気持ちで。
熱くなった体を持て余しながら。
俺は、その後悶々と過ごす羽目になった。
(END)
2010/03/06
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