Project DC 14
(DC2パラレル)
「大丈夫か?」
俺が心配そうに覗き込む。
お互いまだ呼吸が荒い。
重なった胸から、互いの心臓がすごい勢いで動いているのを感じる。
「カゲミツ……」
タマキが乱れる息を整えるように息を吸う。
「うん…大丈夫だよ」
そういいながら微笑んだ。
俺は、ほっとしながら、タマキの体をもう一度抱きしめる。
「カゲミツ……」
タマキも抱きしめ返してくれる。
そのまま息が整うのまで、しばらく抱き合ったまま、幸せの余韻に浸った。
このままずっとこうしていたいという心のうちと葛藤しながら、俺は身を起こすと、タマキの体を清めて、身を整えた。
それから、ベッドに腰掛け、俺は意を決するように、タマキを見つめた。
「話さなきゃな…。お前の過去」
はっと、タマキの表情が強張る。
これから話すことを思うと、胃がきりきり痛む。
タマキが、これを聞いて思い出したら…。
俺の事を恨むだろうか。
こんな形で、二人の仲を裂こうとした俺を。
そして、またカナエの元へ戻ることを望むだろうか。
「ごめん。もういいんだ…」
「えっ…」
タマキは、痛そうに顔をしかめながら、体を起こした。
それから、俺の横に並ぶ。
「それに…おまえにそんな…。そんな辛い顔させてまで聞く話じゃなかった」
「タマキ…」
「俺に必要なのは、今のお前と、仲間たちで…。これからの未来だって気付いたから」
そう言いながら、俺の体を抱きしめてくる。
「愛してる…。カゲミツ」
「俺も…愛してる」
俺は、タマキを抱きしめ返して…。
それから、タマキがここに留まることを信じることが出来て。
ようやく安堵した。
2010/04/24
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