Project DC 2
(DC2パラレル)
上層部のコンピューターにハッキングしたり、病院のデータを洗ったりして、いろんな事実が明るみになってきた。
「まずこれ。トキオのメール送信履歴」
ヒカルが映し出すデータを覗き見る。
「『“ターゲット”を釣る為に、引き続きタマキの監視を続ける』…だとぉ?」
俺はタマキを餌にして監視している上層部に怒りを感じずにはいられなかった。
「ターゲットとは誰か?だな」
それに対して冷静なヒカル。
「妥当なところでカナエか…」
「だが、この時点でまだカナエの生存は確認されてない」
「だよな…。でも、一応生きてることも疑ってたということか」
「たぶん」
「しかし、何のための釣り…なんだ? 何が得たいんだ、上層部は」
「……」
ヒカルはそれには答えず、次のデータを映し出した。
「『project DC』…プロジェクトデッドチェイス。ナイツオブラウンドのリニットに盗まれた重要機密を取り返すとともに、奴の抹殺を計る…」
文字を読みながら俺は言葉を失った。
重要機密?
どんどんことが大きくなっている。
いったい奴は、国から何を盗んだっていうんだ?
そもそも、どうやってカナエがそんなもの盗むっていうんだ。
あの機械音痴に。
俺はそんな疑問を抱かずにはいられなかった。
2010/04/07
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