MEMO
小ネタ7(妊娠しました!)妊娠ネタ苦手な方は回避!
2010/12/21
仕事から帰ってきたトキオを見て、緊張した面持ちのタマキが。
意を決したように口を開いて出てきた言葉は……
「トキオ……。俺、妊娠した」
だった。
それだけ言うと、真っ赤になって下を向く。
手を握り締め、息を詰めてトキオの反応を待つ。
「…………」
そんなタマキの様子を、最初はぽかんと。
それから、徐々にこみ上げてくる笑いを懸命に堪えながら。
トキオは勤めて真面目な表情で言った。
「でかした! タマキ」
「へ?」
「嬉しいよ。俺とタマキの子供だなんて。……これほど幸せはないよ」
「え?」
「男の子かな。女の子かな」
「いや……」
「どんな子かな。黒髪……だよな。俺たちの子だと。瞳は優性で考えると黒かな。…肌は…やっぱりタマキのような象牙色がいいな。俺に似ると苦労するかも…」
「お、俺はトキオの肌の色も好きだし、青い瞳もいいと思うぞ」
思わず、そういってしまうタマキ。
すっかり、二人の子供談義になっている。
「そういってもらえると嬉しいよ」
嬉しそうにタマキを抱きしめるトキオ。
そこで、慌てて我に返るタマキ。
「……っじゃなくて!! 普通に考えて男が妊娠なんてありえないだろ! そこ突っこめよ」
「え……。そんなこと……あってもいいと思ってるし」
「な…」
「それに……。タマキを孕ませるくらいの情念でいつも抱いているし、それくらいの奇跡が起きても不思議でないと思うし…」
そういいながら、タマキに深いキスをする。
「んんっ……て、ト、トキオ!! ……お前、冗談だってわかってるだろ! エイプリルフールの!!」
「えー、そうなの……。それは残念……」
そういいながらもキスは止まない。
「もしかしたら、本当に出来るかもしれないよ。……試してみよう」
「あ……っ……」
床の上に押し倒され、服を抜がされ。
キスと愛撫に翻弄され。溶かされていく──。
「もう……。それでも…いいか……」
そのまま、されるがままにタマキはトキオに身をゆだねた。
(妊娠宣言真に受けて、狼狽えるのは多分カゲミツくらいなもんだろう……)
というわけで、カゲミツヴァージョン↓
「俺、妊娠した」
「ホントに?」
「うん、間違いないよ。つわりもあるし…」
「タマキ……」
(タマキが、妊娠したとか言うなんて。……俺を想うがあまりの想像妊娠!? ……なんてこった。だけど、そんなに俺を想ってくれるなんて……嬉しいとか思ってしまう自分がいる。俺って罪深い奴……。だけど、そんな思いつめたタマキにいきなり事実を告げるのはあまりに酷かもしれない。……ここは、あいつの思うように。……実際子供が欲しくなったら養子という手もあるし…。うん。徐々にそういう事実を告げていけば……)
「嬉しいよ。……俺、タマキも子供も。もっと、ずっと大切にするからな」
「え…」
「ああ。こんな寒いところに立ったままじゃ、体に悪い。早く暖かいところへ」
「あの…カゲミツ…」
「ん? …さぁ、お前一人の体じゃないんだから」
(……マジだ。カゲミツは本気で言ってる)
訂正するきっかけをなくすタマキ。
そして、ますます本気で付き合うカゲミツ。
「あ、タマキ。そこ段になってるから、気をつけろよ」
「腰冷やすなよ。はい、ブランケット」
そんな二人を眺めながら……。
どう突っこんでいいかわからない他のメンバー。
「タマキちゃん。……いつまで妊娠ごっこするのさ…」
「えっと……」
(どうするの? タマキちゃん!)