某携帯のCMが可愛かったので、ケータイ=人型というパロ…

▼(星)リク+シロver.

一人一台もとい、一人一体のケータイを持つ時代。

「…お前なんかもう知るかよ!」

感情のまま、そのまま電話を叩ききってやった。

「喧嘩かい?リクくん」

ベットに倒れこんで大きなタメ息をついたら、上から落ち着いた声がふってくる。慌てて起き上がると、覗きこんでくる優しい顔があった。俺の「ケータイ」、シロさんだ。

「…すみま、せん。乱暴に扱ってしまって」
「構わないよ、べつに痛いって訳じゃないしね。それより、また派手に喧嘩してたねえ」
「はは…」
「彼女、かな?」

思わずベットからずり落ちそうになった。相変わらずシロさんは、ニコニコ笑っている。

「バ、バカ言わないで下さいよっ!シロさん、俺に彼女なんていないの知ってるでしょう…」
「ごめんごめん。…なら、星くんかな」
「う、」

なんでシロさんは、いつも何もかもお見通しなんだろう。多分父親より誰より、一番俺のことをよくわかっている。
「…あいつ、いつもいっつも、マジでムカつくんですよ」
「うん」
「俺は悪くない。全部アイツが悪い」
「うんうん」

クッション片手に二人でベットに凭れ、こうして根気強く俺の愚痴を聞いてくれる。例えば友人のシスターの携帯のマリアさんなんか、無関係の俺でさえ被害を被るほどのドSっぷりだから、俺の場合は当たりだったんだろうな。まあ、あの人たちはあれで幸せそうだから、別にいいんだけど。

「クソ、あんな奴もう知るか…」
「けど、本当にどうでもよかったら、そんな風に落ち込んだりしないと思うけど」

…ああ、その通りだ。
確かにアイツは腹立たしい奴だけど、これくらいでムキになって素直になれない自分はもっと嫌になる。

俯いて、ことんと額をシロさんの肩に乗せた。俺より身体は小さいくらいなのに、なんでこんなに頼りになるんだろう。人に借りを作れない俺でも、シロさんにだけは別だ。
完璧な俺のこんなみっともない一面を知ってるのも、たぶんシロさんだけ。

「落ちついた?」
「…ハイ」
「よし、じゃあ、仲直りしようか」
「え、ええっ!?今からですか?何もそんなに急がなくっても…」
「だめだめ。星くんとちゃんと話するまでは、一切他のメールも電話も取り次がないよ」
「シ、シロさん」

ときどき笑顔でさらっと厳しいことを言われて冷や汗かくこともあるけど、それもまあ…愛情だって思いたい。


▼シロさんは隠れドSと主張し隊
この設定で星リクがデキた場合、たぶんシロさんは星に腹黒くなって、星は星でやきもち(笑)


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