▼カゲ+ヒカ・おとなりさん設定




「なっ、なっ!」

昼休み。購買に向かって廊下を歩いている最中だった、隣の友人が急に立ち止まり、奇声を発したのは。
急になんだよって眉を潜めてたら、ヌッと手がのびてきて…

「なっ、なんなんだよアイツ!誰だよ、タマキにあんな慣れ慣れしくしやがって…」
「ぐぇ!」

ぐ、ぐるしいっ!しまるしまる!

「っの…バカゲミツ!俺に当たんな!」

一発頭を殴ってやってから、ちょっぴり涙の滲んだ眼でヒカルは視線の先を追う。2階の窓から見える中庭には、楽しそうに笑う先輩の姿……この悪友の『あの人』絡みの奇行には慣れっこだから(そりゃもー残念なコトに)、ああ、とすぐに納得。

「あー。ありゃ、カナエ先輩だな」
「カナエ〜?誰だよ、そいつ」

タマキと同じクラスじゃねぇだろ。今まであんな奴といんの見たことねーし、と不機嫌そうにカゲミツは言う。

そうだよな、お前、タマキ先輩の交遊関係にゃ異常に詳しいもんな。こんな幼なじみ居なくて良かった…、と心の中で密かに思う。

「それは知んねーけど、カナエ先輩、有名人だぜ。あのルックスで誰にでも優しくて、頭までいーらしいから。俺らの学年にもファン多いだろ」
「ああ?あんな優男…」

忌ま忌ましげに舌打ちするカゲミツ。こいつの中では、タマキ先輩に近付くのは男も女もみんな敵らしい。まぁそれを本人(タマキ先輩)に直接言えず、俺に言ってくるのがカゲミツらしさでもあるけど…。

「あ、そういや、カナエ先輩って今年の文化祭実行委員長じゃん。それ絡みじゃねぇの?」

見ると、二人は肩を並べながら何やらダンボール箱を運んでいるようだ。

「…ってことは、タマキも実行委員?聞いてねーよ、俺」
「んなことまでイチイチ話さねーだろ。それにあれ、俺も1年ときにやったけど結構めんどいんだよな。タマキ先輩優しいし、体よく押し付けられたんじゃね?」
「……」

黙りこんだカゲミツが次に言うことは、付き合いも2年目に突入するヒカルには手に取るように分かる。

「じゃあ俺も」
「こないだのHRで決まっただろ実行委員。お前ずっと寝てたじゃん」
「……」

ばっさり切り捨ててやると、カゲミツは目に見えてがっくり肩を落とす。
ほんとこいつ、タマキ先輩絡みになると暴走するのな。
黙ってりゃカナエ先輩にも見劣りしない羨ましい顔立ちしてる癖に、ほんと可哀相な奴っていうか…。

けど、そんな可哀相なイケメンをみてると、もっとからかいたくなるのが男の本能である。

「あーあ、ちょっちヤベーかもなぁ」
「…何がだよ」
「カナエ先輩もてるから、ああ見えてけっこー女慣れしてるって噂だぜ?」
「!」
「意外と手ぇ早かったりしてな。ホラ、草食男子の正体は肉食獣でしたぁって良く言うじゃん」
「……」
「タマキ先輩わりと天然入ってるし、うかうかしてたらひょいって…」

「…ヒカル、」
「は?カ、カゲミツさん?」

がっしり、まさにそう形容するような力で肩を掴まれた。…おーいカゲミツさん、心なしか、目、座ってません?

「…キヨタカに手ぇ回して俺を実行委員に捩込んでくれ」
「はあ!?」
「タマキはぜってー俺が守る。いくらキヨタカでも、ヒカルの言うことなら聞くだろ?だってお前らつ…」
「ああああ!バカッこんなとこで何言ってんだ!」

慌ててカゲミツの口を塞ぐ。キヨタカってのは数学教師で、生徒会の顧問でもあるから色んな方面に口が聞く。まあただならぬカンケーであることは否定しないけど、このバカ、こんなたくさん人の行き交う廊下で…

「頼むな。ヒカル」

…何かを振り切ってしまったらしい。あまり見ない顔でにっこり笑うカゲミツは、もともと美形なだけに、妙に有無をいわせぬ迫力があった。


教訓。あんまり人をからかいすぎるもんじゃありません。








「なー、キヨタカぁ。ちょっとさあ、頼みがあるっていうか…」
「ヒカルが頼み事なんて珍しいな。言ってみろ、俺にできることなら何でも聞いてやるから」
「キヨタカ…(じーん)あんな、実は…」
「…ああその前に、もちろん、見返りは十分期待していいんだろうな?」
「ぐっ…(ちくしょーやっぱり!カゲミツのバカヤロー!)」








★今更おとなりさんの設定

3年→タマキカナエトキオとか
2年→カゲミツヒカルとか
教師→キヨタカとか

これ中学設定で始めちゃったけど、教師×中2は流石にマズイか!?まあキヨタカだからいいのかな(笑)
二人は付き合っててエロいこともしてるけど、最後の一線は超えてないという設定。ヒカルが高校生になるのを待つ大人なキヨタカせんせ。

そんな感じの学園生活。
文化祭編も気がむいたら書きたい


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