2010 / 11 / 19



※都会にでたなつの


「……徹ちゃん」

この人の突拍子もない行動にはもう慣れた。そもそも思考回路からして俺とは違うのだと思うようにしてる。

けど流石に、ドアを開きがしら、相手の確認も出来ぬままがばりと抱き着かれたら、あっけにとられるだろう。…久しぶりの再会だからまぁそこまでは百歩譲るにしても、首元でくんくん鼻をならされるとは。

「んー…夏野の匂いだぁ…」
「ばっかじゃないの」

それ、女の人には絶対やらない方がいいよ。デリカシーなさすぎ。

でかい図体を引きはがしながら、ぶつぶつ悪態をついたけど。そういう彼が外気と一緒に連れてきたのは、間違いなく、懐かしいあの村の匂いだった。






結局お互いさま。






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