2 | ナノ

若者は、元気を持て余している。

「はーい席着いてー」

8時30分、たった10分の朝礼にも耐えられない軟弱な精神の生徒たちは、俺の声を遮って、馬鹿デカい声で話している。

「今配布した進路希望調査の用紙は、終礼時に集めるから、はいそこ座るー」

用紙を片手にきゃあきゃあと立ち歩く生徒に注意する。進路希望調査の一体なにがそんなに楽しいのか、俺には皆目検討もつかない。

俺は到底猛獣使いにはなれないなぁと思いながら、形ばかりの朝礼を終わらせ教室を出た。

熱い眼差しに気付くこともなく。




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