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「さるとびせんせい、がっこうにはもうなれましたか?」
「はぁ。」

慣れとは怖い。この先生の独特の話し方も、生徒は休みの筈の土日の出勤も、教室の空席も、生徒のボイコットも慣れてしまえばなんてことはない。

「それはよかった。わたくしでよろしければ、いつだってそうだんにのりますよ。」
「ありがとうございます。」

入学式から一ヶ月。俺は教師一ヶ月目、絶賛学校辞めたい症候群だ。ああこれが所謂五月病なのかそうなのか。

「あほらし。」

五月病になろうが社会人になればそう簡単に休めるわけもなく、俺はすっかりよれよれになったジャケットを羽織り、教室へ向かう。慣れてしまえばきっと、五月病だってどうとも思わなくなるだろうと、期待して。


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