なぁいい加減俺のモンになっちまえよ、と元親はとびきり優しい声で濡れ羽色の髪の青年に囁いた。 「お前いっつもそんなこと云ってんな。」 「たりめぇよ。俺は本気だからな。」 そう云って青年の細い腰に腕を回し、さらに距離を詰めると次は耳元に唇を寄せる。 「あ、」 「お前を浚っていろんなものを見せてやりてぇ。世界の広さを教えてやりてぇんだ。」 「元親、近、い」 耳にかかる息がくすぐったいのか身を捩る青年に構うことなくむしろ元親は更に唇を寄せほとんどキスをしているような状態で青年に愛を伝える。密着した青年から、とくとく、速まる鼓動を感じれば元親はにやんと笑みを浮かべた。 「心臓速いぜ?意識してくれてる、と考えてもいいのかい?」 「ば、お前、」 「馬鹿でもなんとでも云いな。」 そう云って青年の首筋を軽く撫でると鼻にかかったような声が響く。 「はは、お前エロいなぁ。」 「ちょっ、やだ、やめろ」 青年が顔を赤くして元親と距離をとろうとすると、元親は一瞬残念そうに眉を下げると悪い悪いと頭を撫でた。 「まぁ今は勘弁してやるけどよ、いつかお前を船に乗せてかっさらって行くからよ。覚悟しとけ、」 いつになく真剣に、でもやはりとびきり優しい声で囁くと元親は照れた表情を隠すように青年をその胸に押しつけた。 色事 元親とピロートーク。 |