10 | ナノ


誰か、この状況を説明してくれ。

「あの、」
「なんだよ。」
「本当に一緒に寝るつもり?」

大きめのだぼついたTシャツに、パステルカラーのもこもこのショートパンツ。風呂から上がればそんな伊達が俺のベッドで寝そべっていた。ちなみに俺のベッドはシングルだ。

「だって先生の部屋狭いからもう一台ベッド入れらんねぇだろ。」
「なんでそういう考えに至るわけ?」

もっと普通に、布団敷くとかあるじゃん。って言おうと思ったけど、うちにはお客さん用の布団なんかないし、黙って狭いベッドに乗った。スプリングが二人の体重で音を立てる。

「あん、優しくして!」
「気持ち悪い声出さないで。」
「ちっ」

舌打ちを無視して背中を向ければ、背中に生ぬるい体温が当たる。不快だ。

「暑い、離れて。」
「い、や。」

よりいっそう体を近付けられた俺は、心身ともに疲れを感じながら無理矢理眠りについた。




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