片倉さんを病院に残し、久しぶりに会社に向かえば、慣れないデスクワークに取り組んでいた旦那が、目を丸くして俺に言った。 「佐助?」 「長いこと休んじゃってごめんね、旦那!」 「いや、それは構わぬが…それより今日は病院だったのではないのか?政宗殿はもういいのか?」 旦那の言葉に唇を噛む。いいわけない。まだまだ一人に出来る状態じゃない。でも俺は必要ない。 「片倉さん来たから」 俺がそう答えると、旦那はますます不思議そうな顔をした。 「片倉殿が来ても政宗殿に佐助は必要だろう?」 旦那の一言が重い。俺は机に山積みになった書類をぱらぱらと眺めながら、そうだったらいいのにね、と返事をした。 |