小説 | ナノ

「MW、ですか?」

佐助はぴたりと腕を止めた。新聞記者としてがむしゃらに取材を重ねてきて、ようやくたどり着いたひとつの言葉。佐助は目の前の男を見た。
「私の元までたどり着けた褒美として卿に教えてやるのも悪くはない。」
紳士的な話し方とは裏腹に、男はどこか事の真実を―佐助が調べただけでも悲惨な話であることは一目瞭然であった―楽しんでいるような口振りで言った。それでも佐助に取材を止めるという選択肢はない。

「教えて下さい、MWについて。」

男の背後にあるロザリオが光った。



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