*微妙に上の続きです。 昨日ディーノに起こされたせいでまだぼんやりと眠たい目を擦りながら上半身を起こせば、左手にこつり、と何かが当たった。 「…何これ。」 手に取ってまじまじと見ていると隣から、ん、と小さく声が聞こえてきた。ディーノが目を覚ましたみたいだ。 「恭弥おはよう。メリークリスマス!」 「おはよう。ねぇ、」 この箱なに?って尋ねようとするとディーノがものすごい笑顔で笑いかけてきた。 「おっ!恭弥サンタさんからプレゼントもらったのか〜いいなぁ!!」 「…サンタ?あなたじゃなくて?」 「…お、おう。サンタさんからだろ!」 サンタさんって誰だっけ?なんて考えながらリボンを解く。出てきたのは小さなメッセージカードと指輪のケース。指輪はシルバーのシンプルなデザインだ。 「サンタって、」 「サンタ良い趣味してんなぁ!ほら、恭弥、付けてやるよ!」 「ん…」 勝手に手を取られて薬指にはめられる。 まだまだ眠たい僕の頭はようやくサンタが何者なのか思い出してきて、指輪と共に入っていたメッセージカードに目を通す。 「ねぇディーノ、」 「ん?」 「ねぇ、サンタクロースって危ない人?」 「え?いや、サンタさんはだな、子供達におもちゃとかを」 「指輪だよ?」 「…き、恭弥は特別綺麗だからな!!おもちゃじゃ駄目だと思ったんだよ!」 「ふーん。じゃぁサンタさんってさ、『世界で誰よりも恭弥を愛してるよ』とか言っていいの?」 そう言いながら僕は拙い日本語で書かれたメッセージカードを見せる。 「……あ、んーとな、」 「誰よりも、てことはあなたより僕のこと好きなんだね。」 「なっ、」 「僕だって誰よりもあなたを好きなんだけどな…」 ちょっとした、意地悪。 昨日起こされた、仕返し。 「嘘!恭弥!!それ俺からだ!!サンタなんかじゃねぇ!!」 がばっと抱きつかれて視界が金色になる。 「馬鹿でしょ、あなた。ちなみにリングにもfrom DINOって書いてあったよ。」 「あー…」 くそーロマンチックだと思ったんだけどなぁと頭をがしがしと掻きながらも僕のことは離さないディーノが妙に子供っぽく見えた。 「なぁ恭弥、」 「なぁに?」 「もっかい言ってくれよ、」 少し距離が出来たかと思えば肩をしっかり掴まれて、向かい合いにさせられた。 「なにを…」 「俺、恭弥を誰よりも、世界で一番、愛してる。」 その目は真剣で、きっと今回のことも色々考えてやったことなんだろう、と意地悪して少し(本当にほんの少し)悪かったな、なんて考えた。 「…恭弥は?」 きらきらの金色の髪が、今日という日にぴったりだと柄にも無く思ったからかもしれない。たまには僕からのプレゼントも悪くない。 「僕だって、あなたを誰よりも一番、愛してるよ。」 重ねられた唇はお互いいつもより少し冷たくて、季節を感じた。 あのねディーノ、こんなときくらいしか僕は素直になれないけど。 ねぇ、 今日も 好きだよ。 -------------------------------------------------------------------------------- あとがき あー無事終わりましたD18記念。 季節のお話ばかりになりました。雲雀さんの愛情還元が成功したかは不明ですがお祝いできてよかったです!! 自己満足自己完結にお付き合いいただきありがとうございました!! [*前] | [次#] |