その人と君がどんな関係だったのか、なんて俺にはよくわからない(君の家系はなんだかすごくややこしかった気がする)。でも、君がそのコンプレックスに感じている片っぽうの目から惜しげもなくぽろぽろと流れ出る泪を見て、あぁきっと大切な人だったんだろうなぁと思った。 「平気?」 「あー、ん、あんま平気じゃねぇかも、」 無理して笑う君。もっと泣いていいのにと思って抱きしめてやる。俺のカーディガンにじわりと泪が滲みる。赤ちゃんをあやすように背中をとんとん叩いてやると次第に大きくなる嗚咽。 「うちまで送ってあげるから、ちゃんと大好きだったよ、ってご挨拶するんだよ。」 「うん、うんっ」 「そんで、全部終わったら迎えに行くから、また抱きしめてあげるから、そんときまで頑張れる?」 「うんっ」 熱くなる肩を少し誇りに思いながら、見たこともないけれど、君の大切なひとに、ご冥福をお祈りします。 大好きなおじいちゃんへ、 たくさんの愛を込めて。 お付き合いありがとうございます。 (title:獣様) |