佐助が目を覚ますと隣には既に政宗の姿はなかった。ぼんやりと枕にうずくまっていると台所からかちゃかちゃと音がするのに気づく。佐助はそのままむくりと起きあがるとパーカーを羽織り、台所へ向かう。 「なぁにしてんのー」 「あ、起きたか。」 「もー一緒に寝よって言ったのに。」 「さっきまで寝てたんだよ。」 そう言うと政宗は振り返って手招きする。 「あーん、」 「ん?」 ひょいと口に放り込まれたものは栗きんとん。佐助に食べさせたあと政宗も一口。 「おいしーねぇ。」 「だろ?」 「料理上手の政宗と一年過ごせて俺は幸せです。」 バカ、と小さくもらした政宗の頬はきれいなばら色だった。 |