神様、 幸せはどこですか。 「神様は平等だと思うか。」 白い指先が神経質そうに白い眼帯のズレを直している。 「まぁ、生と死をもって。」 俺の答えにふん、と気合いのない返事。言い出したのはあんたでしょ。 「神様は意地悪だと思うか。」 白いノートが黒くなるほど埋め尽くされた、『幸』の文字。 「何、携帯小説でも読んだの。」 「答えろよ。」 無益だ。 こんなの無益なんだけど。 「意地悪ではないね。神様がいたとして、何億といる人間の中から一人選んで意地悪なんて面倒でやってらんないよ。」 成る程な、と先程よりかは満足そうな返事。 「人間は何のために生きてるか知ってるか。」 「死ぬため。有名な話。」 『幸』を書き続けたシャーペンの芯が折れた。 「死ぬのが目的なら、なんで俺達は生まれてくるんだ。」 「神様の暇つぶし?」 「それは一種の宗教観念に則ってるだろ。生物学的に見て、だ。」 「えー狡い。伊達ちゃんだって有神論前提に話してたくせに。」 「うるせー答えろ。」 独裁者。 「あーあれ、伊達ちゃんが生まれてきたのは俺と逢うため、とか?」 沈黙が痛い。折れたシャー芯。白い指。『幸』。上がる口角。 「Ha、携帯小説でも読んだか。てゆうか生物学的でも何でもねぇ。」 「うんうんそうだねー」 仕合わせは ここにあります。 あとがき ほのぼの?電波? 突発であげようとしたんですが不具合でこちらにupしてしまいました。余裕あれば突発に移すかもです。 仕合わせは偶然性を重視するときの当て字?らしいです。 お付き合いありがとうございました! |