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俺は相変わらず平穏な生活を送っている。相変わらずクラスメイトに相槌をうち、相変わらずにこにこしている。相変わらず面倒事には疎遠で、相変わらず平和だった。

ひとつ、変わったとすれば───

「おはよーございまーす」

「おや、また君ですか。」

「あれ、まだ明智先生がいるなんて珍しいね。」

「ふふ、一応保険医ですからね。備品の整理くらいはやりますよ。」

「ふーん…」


保険医の明智先生はかなりの変わり者で、ほとんど保健室にいない。朝一に保健室の鍵を開けたら後は行方不明。怪我をしたときなんかは職員室に行って他の先生に呼び出してもらうのが一番というくらい。


「それにしても毎朝ご苦労ですね、猿飛君。」


明智先生はにやりと笑って銀の長髪をゆらゆら揺らしながら保健室から出ていった。先生は毎日俺がサボることについて何も言わない。サボってることを知らないとは思わないから、たぶん、そういうこと一切に興味がないんだろう。


「もうすぐ…かな?」


ちらり時計を見れば9時前。この時間からサボろうと考える奴は稀。ていうかサボりたい奴は端から来ない。





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