邪念ばっか! 3/14 22:39


「寝れない?」
「ん。」
「俺様も。」

同棲始めて何年も経つ。今更男二人でひとつの布団なんてやってらんなくて普段は布団をふたつ並べて寝てる。

「来る?」
「行く。」

掛け布団を上げたら、滑り込んできた大切なひと。冷たい足が俺の足に当たる。

「足冷たい。冷え性治らないね。」
「生姜も大して効かねぇしな。」
「まさが継続しないからでしょうが。」

だって嫌いだと小さく呟かれた声は闇に消えた。ふたりで並んで目を瞑る。こんなときばかり時計の秒針の音が気になるのはなんでかな、と考えていたら右手にひんやりとした手が触れた。

「冷たいか?」
「まぁ。」
「ふぅん。」

冷たい手がそのまま俺の指に絡まる。熱が奪われていくのがわかるけど、何も言わない。

「佐助、」
「んー?」
「おやすみ。」
「おやすみ。」
「良い夢見ろよ。」
「まさもね。」

おやすみ、良い夢を。


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