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88.さよならをおしえて










88.さよならをおしえて








静寂に包まれた決戦の場。不意に地震のような揺れに襲われた。見下ろせる街を彩っていた樹が音を上げ倒れ、横たわりながら街の情景を壊していく。程なく揺れはおさまったが、島全体に地鳴りが続いたままだ。
造られた大地が悲鳴を上げている。この場所もあまり長くはもたない、そう感じ取ったルークが、皆に振り返って口を開いた。


「……みんなは急いで脱出してくれ。俺はここでローレライを解き放つ」


崩れるとわかっている場所に一人残ることを告げるルークに、ティアはたまらず「ルーク!」と彼の名を叫ぶ。

「ローレライとの約束だ。これは俺がやるべきことだから」

彼にしかできないことだから。その為にここに来たのだから。
胸を張るルークにティアは口を噤み、瞳を伏せる。彼女の憂い顔にルークはどこか切なげに微笑んだ。
 


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