音色6



―PM0:21[小会議室]――――――――――side 涼


教頭
「では、今年の行事についての予算はこのように決定している。あとの振り分けを今年も頼むよ…生徒会長、よろしいかな?」


「…………」

教頭
「…生徒会長?」


「…………」

校長
「…浅葱君?」

教頭
「浅葱君!」


「!!!…う?…え」

教頭
「何をボーっとしとるんだね君は…」


「…あぁ…すみません」

校長
「心配ごとですか?」


「…はい…まぁ」

三年主任
「ふん、集中力が足らねーな。いつも不真面目だから肝心な時にダメなんだよ」


「…先生ほどじゃないっすよ。あ、でも…昼休みのデートに遅刻しそうなのは俺のせいですね、すみません」

三年主任
「なっ!?」

教頭
「デート?」

三年主任
「あ…いや…それは…」


「あぁ…説明不足ですね。彼女さんが、えーと、学校までお弁当を届けてくれてるんでしたよね?」

三年主任
「…ぐっ……ま、まぁ」

教頭
「…そうですか…しかし、生徒の目もありますからな。控え目にお願いしますよ」

三年主任
「…はい」

校長
「…なるほど、お弁当をねぇ。…相手が生徒かと思って一瞬ヒヤッとしましたよ」

三年主任
「いっ!?いやいやまさか!あははは!」


「…ふっ…モテる教師は油断ならないっすからね」

教頭
「まったくだ。…ところで浅葱君」


「はい」

教頭
「理事長が先ほど顔を出されてな」


「…理事長が?」

教頭
「そうなんだ。それで君に、相談があるとかでな」


「………もしかして」

教頭
「あぁ…孫息子君のことだろう」


「相談って…何すかね?」

教頭
「さぁな…私にはわからんが。理事長室で君を待っておられるから、昼食をご一緒してきなさい」


「…はい、わかりました」

教頭
「ではこれで会議は終了とします。各学年主任の先生は例年通り、生徒会長の指示に従って行事運営をお願いしますよ」


「…………」


(…まいったな………)





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