再会4 一舞 「…はぁーぁ。とりあえず購買行って上履き買ってこなきゃだわ」 香澄 「アタシも付き合うよ」 由紀 「わ…わたしも…」 一舞 「いいよ。大丈夫。間に合わなくなっちゃうから2人は先に教室行ってて」 心配そうな由紀ちゃんと、まだ怒りが収まらないという表情の香澄。2人の背中を軽く押して、にっこり笑って《行け》のサインを出すと、何度も振り返りながら、教室の方へ歩いて行った。 (さて…購買ってどこだっけ?) ひたひた…と、再び妙な足音を響かせながら、購買目指して移動する。 平気なわけじゃないし、一応ムカついている。だけど、こんな事をされる事情はわかっているから、怒りに任せて反撃なんてしない。ただ、負けてやらないだけ…。 それにしたって、中学から数えて何足目だろう?いい加減にしてくれないと、家計がもたない。 (いつか弁償してもらわないとね) …… ………… …………………… ………… …… …数分後。 ひたひたと歩き回って、すれ違う人に教えてもらいながら、なんとか購買に辿り着き、今はようやく上履きを履けた状態。 しかし、言い訳をさせてもらうと、今日は登校2日目だ。 (購買のおばちゃんに、道を聞いておくんだった…) 上履きを購入している間に予鈴が鳴ってしまって、慌てて戻ろうとしたんだけど、どうもどこかで間違えたらしく、見事に迷ってしまっている。 とりあえずの案内板を見つけたはいいけども…あたしが行きたいのはピアノ科であって、軽音科に用は無い。 (参ったな…) この学校はなんだか迷路みたいだ。やけに広くて天井も高いし、窓だって大きめなのに見通しが悪い。 学科別に校舎が入り組んで、ひしめき合っているせいかもしれない。もはや来た道すらわからないし、残念だけど遅刻は免れない。 この際だから散策でもすることにして、案内板に従って先へと進むことにした。 Novel☆top← 書斎← Home← |