歌声5





「常連っちゃ常連かな・・・でも客じゃねーんだな」


 にやりと笑う学ちゃんの顔が、久々にちょっと苛っとする。



「あと、もみあげ男な」


 学ちゃんの勿体付けるような話し方を少し面倒臭そうに聞いているあたしを気にもとめず、喜々とした表情でもみあげ男を呼びつけた。


??
「あぃ〜ん、なんスか?オーナー」


 軽い口調でまったり近づいてきたもみあげ。



「紹介するわ。一応ここの店長やってもらってる 純 だ」


 紹介されて、更に距離を縮めたもみあげは、ニッコリ笑って話しかけてきた。



「お初です〜。可愛らしい子ぉや〜ん、学サンの愛人でっかぁ〜?」


「んなわけね〜だろがア〜ホ」


「せやろなぁ...いくらなんでもJKは犯罪やしなぁ」


「コイツはアレよ。姪っ子ってヤツ?カミさんの姉ちゃんの娘?で 、一舞っての」


「!…」



 もみあげ男…もとい、純さんは、あたしの名前を聞いたからか急に黙ってしまった。


一舞
「…あの、どうも…初めまして。学ちゃんがいつもお世話になってます」


 一応、挨拶を返してみると、途端に息を吹き返したように純さんは話し始めた。



「っあ〜…ごめんごめん。ちょおビビっても〜た。てか自分あれやん?名前聞いて気づいたんやけど、昔 涼と連んどった子ぉやんな?」

一舞
「連んでたってか…まぁ…はい」

純「せやろぉ〜!?俺なぁめっちゃファンやってん!!よく翔と透瑠と三人で一舞ちゃんのライブ観に来とってんで!!あ。透瑠て 涼の兄貴な?せやから最初は涼の晴れ姿見るつもりで来とってんけど途中で目的変わってもぉてんやんか。あははっ!あの頃の一舞ちゃん言うたら軽く伝説やからな、まさかこんなんして話しできるなんか思てなかったしなぁ!テンション上がってもうてヤバいわぁ!!」




 手にしているモップをグルグル動かしながら落ち着きなく。息継ぎをどこでしてるのかわからないくらい早口で話しをする純さんの言葉の中に、不思議の答えがあった。






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