仲間3 午後7時。 買い出しチームが手配した荷物が届いたのだけど、大きなダンボールに入った日用品と食料品。玄関に詰まれたそのダンボールを見て、ちょっとため息が出た。 みんなの協力のおかげで、ずいぶんと綺麗になった大邸宅。だけど、どれほど長い時間独りで居たのかわからないくらい…そしてどうやって生活していたのかもわからないくらい何も無いものだから、涼ちゃんにお願いして、あたしが知ってるメンバーを何人か呼んでもらい、作業を進めていた。 必要な物をだいたい一週間分リストアップしてあげて、そのメモ通りに買い集めてくれたとはいえ…実際に目の前に置かれたその量は、主婦歴の長いあたしでもちょっと引いてしまうほどだった。 涼 「…本人たちはまだみたいだな」 一舞 「…うん」 涼 「…つーか」 一舞 「…必要なんだよ。生活するにはコレが全部」 涼 「…マジか」 一舞 「とにかく片付けよう」 涼 「あ…あぁ」 あたしの隣に立ってドン引きしている涼ちゃんを冷静に促してダンボールを開く。リビングから美樹ちゃん達も手伝いに来てくれて、みんなで箱の中身を次々と片付けていく。 すると… 香澄 「…まだなんだ」 一舞 「ん?」 香澄の意味深な呟きに振り返ると、何故か由紀ちゃんがアタフタしている。 香澄 「ユッキー。ちょっと様子見てきたら?」 由紀 「!」 一舞 「…なにそれ?」 アタフタしている由紀ちゃんを、何故か外に行くよう促す香澄。 由紀ちゃんが更に焦っているので、ちょっと気になって聞いてみると…香澄はそっと耳打ちをしてきた。 香澄 「(ユッキーは…ツインズを待ってるんだよ)」 (ん?…ツインズ?) あたしが更に首を傾げたその瞬間。玄関扉がバタンと大きな音を立てて開き…「たっだいまぁ〜!」というバカ明るい声が響いた。 Novel☆top← 書斎← Home← |