感情1 今朝は微妙に遅刻した。 『寝る子は育つって言うもんなぁ』とか、担任からはセクハラ発言されたりしたけどそれよりも。朝の一件の、涼ちゃんの雰囲気が気になって仕方なかったから。セクハラ発言なんて聞き流した。 お昼近くに美樹ちゃんからメールがきて、もしかしたら涼ちゃんがあたしと話しに来るかも…って書いてあった。 香澄や由紀ちゃんと話しててもなんだか上の空で、お弁当食べてても味がわかんなかったくらいソワソワしちゃってたよ。だから…今、涼ちゃんが目の前に居ることが凄く嬉しい。 話題はどうでも、来てくれた事が…また一歩、前に進めたこの感じが。 ![]() 一舞 「香澄…由紀ちゃん……ごめん、先戻ってて」 涼ちゃんから目線を外せないまま、2人に告げた。 香澄 「えぇ〜っ!?アタシも一緒にいてあげるよ〜!」 一舞 「ありがとう…でもごめん。2人で話したいんだ」 香澄 「うぅ…」 ごめんね香澄…心配要らないよ。 覚悟はできてるから。 嫌われて、もう戻れないなら…それは仕方のないことだ。あたしが傷つけたんだから、その報いがあって当たり前。 もし自分が涼ちゃんの立場なら、許せたかわからないもん。 あたしが悪い。仕方ない。言い聞かせるように心の中で繰り返す。 無意識に自分の手が拳を作り、ほんの少し汗ばむ。 これを緊張というんだろうか…脳天気だった数日前の自分が信じられないくらいだ。 2人が階段を駆け下りるのを確認して、涼ちゃんがゆっくり上がってくる。 ゆっくり、ゆっくり。近づいてくる姿に、鼓動が早まる。やっと涼ちゃんと向き合える。 大丈夫。 大丈夫だよ。 Novel☆top← 書斎← Home← |