霹靂2 これまでの経過詳細報告の後、高倉さんの口から今後の露出計画が発表された。 テレビ。音楽関連雑誌。広告。それに伴うタイアップと新曲の準備。宣材写真やMusicVideoの制作、その撮影日程など。ますます忙しくなることは明白だ。 事務所側はとにかく期待の新人として押し出す意向で考えているようで、今後の露出頻度は計り知れない。しかも今把握できる限りでも、メインヴォーカルである俺の露出枠は他メンバーよりも多く設定されている。 これは困った。ますます一舞との時間が作りにくい状況だ。 高倉 「それでな?一応、事務所側の人間として一つ心配なことがあんねんけど」 純 「なんですか?」 高倉 「キミらって、彼女おるよね?」 翔 「!」 彰 「ええそれはもうたくさん」 高倉 「たくさん?アカンな〜ははは。整理しなさいよそれは」 彰 「大丈夫ですよ。俺の方は問題無いですから」 高倉 「ホンマかぁ〜?」 純 「秘密のベールはそう簡単には剥がせへんらしいっす。てか彰さんの場合は彼女言うよりハーレムやん」 彰 「ハーレム?上手いこと言うね。ふふっ、あ。バイっていう事実はやっぱり隠した方が無難ですか?」 高倉 「ん〜、微妙やね〜。てかサラッと自分の性癖暴露すんねんなぁ」 純 「彰さんはブラックな過去やら謎が多過ぎやねん」 彰 「基本アングラな育ち方してるからね。仕方ないよね。ふふふ」 椋橋 「そういう純くんはどないなん?」 純 「あ。俺は居らんから問題無いですよー」 高倉 「はははっ。純くんからは癒しを感じるわ〜ええ子やな〜。せやけどな。出る杭はなんとか〜て言うやろ?露出が多なってくればゴシップ好きなんが黙ってへんやろからな。先に手ぇ打っとかなあかんねん。で。翔くんは?」 翔 「…居ますね」 高倉 「そら居るやろな。ほんで?何か問題ありそう?」 純 「…」 彰 「…知っといてもらったほうがいいよ」 翔 「…はい」 椋橋 「なに?ややこしい相手なん?不倫とか?」 高倉 「不吉なこと言いなさんな」 翔 「不倫はしませんよ。ただ、今付き合ってる子が、高校生なもので…」 高倉 「こっ!?」 椋橋 「高校生!?」 高倉 「あかんあかんあかん!それはあかん!」 椋橋 「女子高生か…ええなぁ」 高倉 「ええなぁちゃうわホンマ。何?じゃアレなん?ツアー中とか抜けてたんはその子に会うためなん?」 翔 「はい」 高倉 「どこの子や。っちゅーよりどないしよ…」 彰 「学と俺の姪ですよ」 高倉 「…は?」 純 「華さんの娘ですよ」 高倉 「は…華ちゃんの娘ぇ!!?」 椋橋 「なんやてぇ!!?」 驚いて立ち上がった二人の後方へ、凄い物い音を響かせてパイプ椅子が二脚ぶっ飛んだ。 俺達のスポンサーとして関係してくれている華さんは、高倉さんや椋橋さんとは同郷の仲だそうで。だからこそこの驚き様もまあわからなくはないが。 まさか別れろなんて言わないよな? 純 「え?え?なに?」 椋橋 「あ…あかんて!」 高倉 「マジか!アカンわマジでぇ〜!これは…これはどないしたらええんや!」 翔 「…あの」 椋橋 「…あの赤ん坊が、もうそんなに」 純 「?」 高倉 「華ちゃんの…娘…」 頭を抱えて叫んだと思ったら、長机に両手をついて愕然とした表情のまま、高倉さんと椋橋さんはフリーズしてしまった。 そうか。この人たちは、一舞の赤ん坊時代を知っているのか。 彰 「…なんか反応が面白いんだけど。どうしよう」 翔 「…知りませんよ」 純 「面白がっとる場合ちゃうやん」 Novel☆top← 書斎← Home← |