明暗5




一舞
「!!!」


 ポケットの中でビリビリと響く振動で我に返った。

 学校に行く時間をアラームでセットしておいたのだけど、思いのほかバイブレーションの振動音が大きく響いて焦ってしまった。

 寝息をたてるこの部屋の主に多少気をつかいながら、焦ってケータイを落としそうになりながらアラームを止めると、朝食のお皿に置き手紙を添えて…時間が無いのでそのまま学校へ向かうことにした。


 それにしても…あの金色?の髪が凄く綺麗で…窓からの光でキラキラしてて…


(あれ…生まれつきの色なのかなぁ…)


 などと1人考えながら、まるで自分の家を出る時のように普通に靴を履いて、翔さんの部屋を出た。




















 朝日が登って程良い時間。大豪邸の玄関にもかすかに朝日が差し込んで、悲しいくらいにその薄汚れた姿を露わにしている。


一舞
「…帰ってきたら、綺麗にしてあげるからね」



 玄関のドアノブに手をかけたまま、家の中に向かって独り言。



(うぅっ!寂しい!!)



 一気に虚しくなって、勢いよく外に出る。








       ガンッ!!





??
「痛ってぇ!?」



(え?)



 あたしが勢いよく開けたドアに、これまた勢いよくぶつかったのは…



(うわっ!涼ちゃん!?)



一舞
「わぁっ!ごめんっ大丈夫!?」


「ってぇ…………ってかなんでアンタがここに居んの?」


 …思いっきり睨まれちゃいました。





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