明暗3 香澄情報によると。 お兄さんの名前は、藍原 翔。21歳の大学生。 目印は、見るからにアメリカ〜ンな外見そのもの。 (いや…21って、若っ!パパの知り合いっていうから、もっと年いってると思ってたのに…) ちなみに。香澄情報 補足。 超が付く女嫌いで、常に無表情。 (なんじゃそりゃ?どうすりゃいいのそんな人?てか女嫌いってどんなですか?あたし殴られたりしないよね?) これはいったいどうリアクションしたものか。 香澄たち3人のあのリアクションのせいで、不安で不安であんまり眠れないまま、家政婦初日の朝を迎えてしまった…。 (キツいわ…) とにかく預かった鍵を握りしめ、大豪邸に向かった…。 時刻は朝の4時。まだ外は薄暗く、少しだけ肌寒い。 自分の家のこともあるから早めに仕事に取りかかろうと出てきたはいいものの。他人の家のお世話をするなんて勿論初めてのことだから、全くのノープランだ。 たぶん朝食くらいは用意しておいてもいいだろうとは思うけど、家の中がどうなっているのかもわからないし…。 一舞 「…はぁ」 独り悶々とした不安を抱えながら、辿り着いた大豪邸の大きな玄関。恐る恐る鍵を開け、ゴツゴツした装飾のドアノブに手をかけた。 今の心境はまるで、心霊スポットに踏み込むようなテンションに似ている気がする。 どうか平穏無事に事が運びますように…。祈るような気持ちで扉を開いた。 Novel☆top← 書斎← Home← |