序曲4 洋 「俺の気が済むまで…とか、余裕ぶっこいてんじゃねーよ」 涼 「…は?」 ドスッ!! 涼 「ぐっ!!」 俺は荷物を抱えたまま、涼の横っ腹を思いっきり蹴った。 涼は路肩に倒れ込んで、びっくりした顔をする。 洋 「両手塞がってるから、足でいいよね?」 涼 「お、おま…蹴ってから言うか?」 洋 「つーかさぁ、あんま俺のことナメちゃダメだよ涼ちゃん」 涼 「う……悪い」 洋 「…で?…話戻していい?」 涼 「ちょ…マジ待って」 洋 「重いんだから早くしてよ」 涼 「悪かったって…てかお前らやっぱ双子だよな〜」 洋 「どういう意味だよ」 涼 「いや、別に…続きどうぞ」 洋 「ふん…え〜と、だから、その鍵を作ったのは俺だけど、諦めるって言ったのに持ってちゃダメじゃん」 涼 「ん〜まぁ…そうなるよな」 洋 「だから、涼にあげなよ〜…って言った」 涼 「はっ!?なんで俺?」 洋 「それは美樹に聞きなよ」 涼 「えぇ〜?」 洋 「……」 (ホント鈍いな…涼って) あんな仲良いくせに…それとも美樹に対して、そういう興味が無いのかな… …………… ……… … 店に衣装を届けて家に戻る道のり。美樹が泣いた理由を考えていた。 あの電話の態度もそうだけど、涼に何も言わなかったのも気になる。 いつも一緒に居て、美樹の気持ちが涼に向いてることはわかってたし、それでも俺を嫌がっていないのもわかっていた。 (でも、今の美樹は…わかんねーよ…) グダグダと纏まらない頭で考えながら、まるでスピードの上がらない足を進めていたら… 洋 「………あ」 美樹 「!」 学校からの帰りらしき美樹と会ってしまった。 美樹 「……」 洋 「お…お疲れ」 美樹 「…………」 洋 「………てかさっき…涼にも会ったよ。鍵、渡せて良かった…ね」 美樹 「…………」 洋 「………………」 (わ〜…超不機嫌な顔になった…。涼の話題はマズかったか?) 洋 「………送るね」 美樹 「…………うん」 洋 「!?」 (…うん…って言った) 送るのはいいのか…?ってことで場面で送り開始。 並んで歩き始めたわけだけども… 美樹 「……………」 洋 「…………………」 (なんだこの沈黙…) この変な沈黙をどうしたらいいんだろか。 (…マジ気まずい) Novel☆top← 書斎← Home← |