宴席5





 深夜、ようやく家に帰り着いて、ベッドに体を投げ出した。



「……」



 それにしても今日の翔さんは変だった。

 何より一番おかしかったのは、透瑠さんが騒ぎを起こさなかったことだが…。




「………」

(…そうだ…やっぱりおかしい)



「あ、蓮帰ってたんだ」


「……」


「ねぇねぇ蓮くんそういえばさ、いつの間にか沢田さんと仲良しになったんだね?」


「…あぁ……由紀は尊敬に値する」


「……」


「……」


「…まぁ〜た難しく言えばいいと思って」


「それより洋…」


「なに?」


「…翔さん…変だよな」


「…前からじゃないの?…てかあの人は別次元の人種だからな。全部がイケメソすぎて」


「…俺が言っているのはそこじゃない。居眠りの件だ」


「あぁ……てか最初っから寝る気満々で一舞の陰に隠れてたもんね。部屋行ってれば良かったのに」


「そう!ソコなんだよ!」


「わっ?ビビった〜、急にテンション上げんなよ」



 洋は気づいていないが、一舞にもちょっとした変化が見える。あれは…俺的にヤバい感じがする…。

 とりあえず。すぐに合宿が始まるし…気を抜かないようにしなければ…。




洋「あ、そうだ蓮さぁ」


「…何だ」


「いつ一舞に告るの?」


「はっなっなななに言ってんだお前!?」


「うひゃひゃ!い〜いリアクション!やっぱ好きなんだぁ」


「くっ!…貴様…!!」


「そぉんな堅くならないでさぁ、素直に告っちゃえはいいんだよ。早くしないとまた誰かに取られちゃうよ〜」


「っ!…」

(なぜ…!)




 笑いながら俺の部屋を出ていく洋を見送りながら、やはり一抹の不安は消えないまま…



 洋の言う通り、勝負に出るしか無いのか…?






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