告白2







(え〜と…この状況を、どう理解したら良いですかね?)




「…お前…ちょっとうるさい」



 私の腕を掴んで、私を見つめながら、おかしな事を言っている。

 ただ困ったことに、私は反論すら出来ない。ドキドキしちゃって。




「……桜井さんは」

美樹
「…え?」


「…涼と付き合うのか?」

美樹
「………え?」


「…付き合わないのか?」

美樹
「…………………」



 返答に迷ったのは、涼と付き合うとか言うことを考えたからじゃなく。蓮くんに…言ってもいいのかわからなかったから。


 最近はずっと冷たかった蓮くんが、今は凄く可愛らしい雰囲気で、何故か涼と私の事を詮索してくるのが不思議でならない。

 私の腕は少し痛いくらいの強さでしっかり掴まれたままだし、身動きが出来ないこの状態が、少し辛い。




美樹
「私…」


「…」

美樹
「涼とは…」


「……何故だ…?」

美樹
「…?」


「…涼よりも、俺に足りないものは何だ」

美樹
「…え?」


「…せっかく俺が気に入っても、涼のモノになるのは何故だ」

美樹
「……蓮くん?」



 蓮くんの言ってる意味がわからなくて戸惑っていると…



美樹
「きゃっ」



 グイッとベッドに引き入れられてしまった。



(わ…っ!)




 私に覆い被さるような体勢で、蓮くんが目の前にいる。

 とにかく動けないし、全身は火が出そうに熱いし、声も出せなくなった。




「…何故、いつも涼なんだ」

美樹
「…っ!!」

(そんな事私にわかるわけないよ〜!!)




「悔しいんだ………慰めろ…」



 その言葉が合図だったかのように、金縛り状態の私は、蓮くんにされるがまま…。


 慣れた手つきで私に触れる蓮くんを感じながら、私の頭は…混乱し続けていた…。


























 どのくらいの時間が経っただろう。

 気がつくと、ベッドの脇に立ってシャツのボタンを閉めている蓮くんの姿が目にはいった。




「…」



 目が合っても何も言ってくれない。



美樹
「……」



 ふと、さっき蓮くんが言っていた言葉を思い出した。


 私の答え…聞いてくれてないから。


美樹
「…私………………蓮くんが好きだよ」


「…!?」



 私の言葉に振り返った蓮くんが、物凄く驚いた顔をしてる。




「……俺は」

美樹
「……」


「…俺は、涼の玩具を汚しただけだ」

美樹
「………」


「…はぁ…そういうことは先に言え」

美樹
「蓮くん、聞いてくれなかったじゃない」


「………どうでもいい」

美樹
「…?」


「っ…お前…もう少し慣れてると思っていたんだが……………ウゼーな」

美樹
「…!」

(何それ?意味がわからない…)



「俺のことなんか嫌っていればいい…」

美樹
「…何でこんな事…っ」



 蓮くんの冷たい表情に、今まで私の身に起きていた事がどれほど最悪かを理解した。

 私の目からは、信じられない勢いで涙が溢れ、ぼやけた視界の中で…面倒くさそうに顔をしかめる蓮くんを見ていた。




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