「臨也、池袋に来るなっつっただろうがよぉっ!」


「ごめんシズちゃん見逃して。今日はシズちゃんと遊んでる暇ないからさ」




今日は急いで帰らなきゃいけない。




「じゃあ勝手に逃げてろっ!」


「そうさせてもらうよ」




単細胞のシズちゃんをまくのは簡単ですぐに姿が見えなくなる。




「ただいま」




いつもは誰もいない家にただいまなんて言わない。ただ今日は3日振りに彼女がこっちに帰って来ているかもしれないから。




「おかえりー。遅かったんじゃない?」




リビングには珈琲のいい香り。不器用な彼女がいれるはずがない。
机にはスターバックスの袋。

そしてそれを買って来たであろう人物は珈琲を啜りながら俺のパソコンを見ていた。




「姉さん、早かったね」


「かわいい臨也君を早く見たかったからね。今日池袋で仕事だったってことは静雄とじゃれ合って来たの?」


「いや、逃げて帰って来た。俺も早く姉さんに会いたかったからね」




姉さんに後ろから抱きつく。
三日振りのその感触を俺の体が喜ぶ。





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