「…ん」




朝日が眩しくて目が覚める。




「…い、ざや?」




昨日隣で寝ていたはずの彼氏の名前を呼ぶけどそこには誰もいなくて声だけが広い寝室に響く。




「そう言えば今日も朝から仕事だっけ?」




最近臨也の仕事が忙しくて会えないのが寂しくて昨日の夜家に押し掛けて、でも次の日も彼は朝から仕事で。

見送りくらいしたかったのに目覚ましは止まってる。多分臨也が優しさで消したんだろう。




「とりあえず起きよう。でも臨也んちって冷蔵庫空なんだよね」




昨日の残りの食材使って何か作ろう、というか臨也は何か食べてったんだろうか。
そんなことを考えながらぼさぼさの前髪をかきあげてリビングへと行く。




「あれ?」




自分はまだ寝ぼけてるんだと思った。




「起きた?おはよう」




仕事に行ったはずの彼がキッチンに立っていた。

状況が理解できず突っ立っていると机にフレンチトーストと珈琲、牛乳が運ばれる。




「なまえって珈琲飲まないから牛乳にしたけどよかったよね。さ、食べて食べて」




言われるがままソファに座らされフレンチトーストに手をつける。




「…おいしい。じゃなくて!今日仕事じゃなかったの?」





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