名前変換なし
毎日毎日よくやるなって思ってた。
「ノミ蟲!手前本当に殺す!!」
「ひどいなぁ。俺シズちゃんに殺されるようなこと何もしてないよ」
「臨也も静雄もうざい!寝られないから本当静かにしろ、殺すよ!」
「わー!桜がシズちゃんの影響で殺すなんて物騒な言葉使いはじめた!」
「いやいや、死ねとか手前によく言ってるだろ?」
正直このクラスは好きじゃない。
このクラスには学校一の問題児の折原くんと平和島くん、それをセーブするときもあれば加勢して更に大変なことにすることもある折原くんの幼なじみ兼彼女の桜さんがいる。
クラスの中では大人しいに分類されるだろう私は彼らと関わったりはしない、彼らが私に害が加えるわけではない。
だけど教室で静かに読書もできやしないこととを少し不満に思っている。
だから、この人たちは苦手だ。
「じゃーねー」
「うん、また明日ね」
友達に挨拶して教室を出る。
今日は部活(文芸部)が休みの日だから部室へは行かず昇降口へ向かう。
「あ、」
靴を履き替え外を見たときに雨が降っていることに気づいた。
「傘持ってきてないし最悪」
雨はざーざー降っていて空も雨雲のせいで暗くすぐ止みそうもない。
部室も今日は開いてないし少し止むまで教室で読書をしようと踵を返そうかとしたその時
「あれ、もしかして傘ないの?」
「折原くん」
私に声をかけたのは真っ赤なTシャツが目に毒な折原くんだった。
「教室とかに戻って読書して雨が止むの待っても無駄だよ。今日ずっとこんな感じだから」
「そう、なんだ」
なんで折原くんは私が教室に戻って読書しようとしていたことがわかったのだろうか。というかずっと雨止まないなんて風邪覚悟で帰るしか…
「はい、この傘使っていいよ」
差し出されてのはどこにでもある普通の透明のビニール傘、に見える。
「え?でも折原くんが…」
「俺は桜の傘に入ってくから大丈夫。だってこんな中、傘もささないで帰ったら風邪引くし」
「…」
「はい。」
折原くんは私に傘を押し付けた。
「あ、桜ー傘忘れたから相合い傘で帰ろ」
「は?臨也は傘なしで帰ればいいよ。大丈夫、馬鹿は風邪引かないって言うし」
「ひどいなぁ。でもそういいながらも心配だから傘に入れてくれるんでしょ」
「…ほんとに入れないよ」
「ごめんごめん」
呆然としているところを二人は仲良く帰って行った。
「あ、お礼言い忘れた」
雨の日
(折原くんって意外と優しいんだ…)
モブ子さんと臨也のお話でした。
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