「じゃーん」


「じゃーんって」




学校で臨也がカバンから取り出したものは教科書でもノートでもペンケースでもなくポッキーだった。




「今日ポッキーの日だよ!」


「あ、そうだね。何?あたしにくれるの?ありがとう臨也君大好き」


「そんなんで大好きなんて言ってくれるなら毎日でも買ってくるよ」


「…寂しい奴」


「なんか言ったシズちゃん?」


「何でもねぇ」




臨也と静雄の間で火花が散り始めるけどいつものこと気にしちゃ駄目。
本当にまずくなったら止めに入ろう。

2人を後目にポッキーを手にしようとするけど




「普通に食べちゃ駄目でしょ」


「あ、」




臨也に遮られる。
静雄を見ればどうも煮え切らないような顔はしてるけど喧嘩にはならなかったみたい。

問題は臨也だ。
え、こいつ普通に食べちゃ駄目って言った?
どういうこと?
ポッキーを鼻にさせばいいのだろうか。
でもそれじゃあ食べれないよね。

取り上げられたポッキーと臨也を交互に見る。




「今日ポッキーの日だよ。何のために俺がポッキー買ってきたと思ってるの?桜とポッキーゲー「するわけないでしょ!」」




思わずため息が漏れる。
何、こいつは馬鹿なんですか?
静雄もすごい顔で臨也を見てるよ。




「静雄!臨也のことどうにかして!」


「…桜がどうにもできないのに俺にどうにかできるわけないだろ」




ま、せいぜい仲良くしろよと哀れんだ目でわたしの肩をぽんと叩くと教室から出て行ってしまった。




「…静雄のばかぁぁぁぁ!!」




視線を感じて隣を見れば臨也がさっきと変わらず眩しい笑顔でわたしを見てる。




「さて、シズちゃんという邪魔者は消え去ったからもう恥ずかしがらなくていいよ。ポッキーゲームしようか」




じりじりと近づいてくる臨也。

いや、邪魔者は消えたじゃないよ。
ここ教室!
クラスメートたちがこっちを見てる!



「桜、こっち見て」


「絶対やだ!!」




11月11日



(そんな恥ずかしがらなくていいじゃん)
(何で臨也が恥ずかしがらないのか不思議だよ)
(好きだしみんなに見せつけたいから)
(…馬鹿)
((顔赤くしちゃってかわいいなぁ))
(あぁ、もう!帰ってからならいいから学校ではおとなしくして!)
(本当に!?桜ありがとう大好き!!)
(…手前らいつまでイチャイチャしてんだ)


ポッキーの日にちなんで書きました。
なんだかんだでポッキーゲームしてあげるヒロインちゃん(^o^)




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