支えたいから…。
昔のようにずっと側には居られない。
それでも、あなたを支えたい。
たとえ、この手が見えない血で染まっていても‥‥。
たとえ、暗闇に堕ちたとしてもあなたの焔がある限り ―――…
休憩時間に誰もいない書庫でため息をついた。
『…本当のロイのことなんか分かってないくせに』
自分のことを言われるより何倍も悔しくてたまらなくて 何度、泣きそうになっただろうか。
『本当にロイのことに関してはダメだわ… 甘いというか、弱いというか‥‥』 「私を甘やかすのは渚くらいだからね」 『そうなのよね、必要以上に甘やかして中尉が呆れ ちゃって…』
ハッと気づいて振り返る。
「普通、話してから気づくか? 話しかけられて気づかないとこがなまえらしいけ ど」
楽しそうに笑うロイの姿。
『…またさぼり?』 「さぼって呆れることも怒らないのはなまえくら いだよ」
なまえの隣に座り、微笑んだ。
愛想笑いでもない自然な笑顔。
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