「うーん…」
ここは東方司令部の執務室。
私の席で大量の書類に埋もれてねてる人物がいる。
なんで私の席なのかはまったくもってわからないのだが…。
「みょうじ少佐、起きろ」
「ZzZ…」
「少佐、仕事できないんだが」
「zzz…」
さすがに触るのはまずいよな。
いや、変な意味じゃなくて肩をゆすって起こすとか。
声をかけてみるが起きる気配はない。
だからなまえの寝顔観察をすることにした。
なまえの口がかすかに動く。
「ん〜…、大佐」
「!?」
「zzz…」
「起きたのか?」
「zzz…」
私の名前を呼んだと思ったらまたすぐに寝息が聞こえてくる。
「寝言か。まったく…、なぜか私の名前呼ぶし期待させる気か。それに理性抑えられなくなったら少佐のせいだぞ(笑)」
冗談混じりに言うがあながち冗談でもない。
「期待なんてしても無駄だろうがな」
彼女に会うたびに嬉しくなる。
彼女に会えないと寂しくなる。
だけどきっと彼女は私に会っても会わなくてもなにも思わないだろう。
ふわふわした少佐の髪を指にからめるが起きる気配はない。
「…無防備だし。」
髪を触っても大きな声で呼んでも起きない。
なんとなくの好奇心だ。
彼女の形のいい唇を指でなぞる。
「…なまえ。」
そして自分の口をそっと彼女の口に近づける。
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