「大総統になったら許す」

「もちろん、大総統になるつもりだから問題ない」


「みんなを踏み台にしてさ。愛しい貴方が大総統になるためならあたしも喜んで踏み台になってあげるわ」


なまえは少し煙草の匂いがする右手で私の頬をなでる。
雨の中にいたせいか、その手は思っていたよりも冷たかった。


「私も愛しいなまえのために頑張るか」

「みょうじ大佐よ」

「そうだったな、みょうじ大佐」


私たちは笑い合う。


「久しぶりに今夜飲みに行くか?もちろん私の奢りだ」

「えぇたまにはいいわね。でも寝ないわよ」

「あぁ、君を抱いたら他の女を抱けなくなりそうだから寝はしないさ」

「よーくわかってるじゃないの」


ふと窓の外を見ると少し雨が弱くなっているように見えた。

「少し止んできたね。てるてる坊主のおかげかな?」

「まさか、私が仕事をしっかりしているからだろう」

「…馬鹿言わないでよ。あ、そろそろ戻るわ。じゃあ今夜6時にいつものところで」

「わかった」


なまえは背を向けて手を降り雨の中へと戻っていった。


「6時までになんとか終わらさねば…」

愛しい愛しいなまえのために大量の書類とまたにらめっこを始める。

まぁ、雨の日も悪くはないな。



RAINDAY



(おい、大佐が真面目に仕事してるぞ)
(雨の日はいつも今日くらい仕事してくれないかしら…)



-END-




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