「でさ、その時アルが俺に初めて負けたんだよ」
執務室への扉を開ければ
「でもエド、卑怯な手使ったんでしょ?」
嫌な光景が
「勝てればいいんだよ」
目の前に広がる。
***
「あら、マスタング大佐ご無沙汰ね」
「げっ、大佐…」
「…」
鋼のの顔が曇る。しかしそれ以上に私はしかめっ面になっていることだろう。
当然だ。
「どうしたの、ロイ?」
「それはこっちのセリフだ」
なまえがくるなんて聞いてなかったからな。
そしてなぜなまえと鋼のが私の執務室で楽しそうに話をしているのか。
「あぁ、そうだ忘れてた。ロイに用があるからわざわざセントラルから来たのよ、はい」
べつに今渡さなくても夜会えるんだけど、となまえは封筒を差し出す。
「ありがとう」
「どういたしまして。さて、任務終了。エドの話の続き聞こうかしら」
「ちょっと待て」
これ以上なまえと鋼のが仲良くするのを見たくはない。
「なに?」
「鋼のはリオールの件について報告しに来たんだ。だから鋼のと話すのはそれが終わってからにしろ」
なまえがあまり長くここにいられないことをわかっていてあえて言う。
「そっかぁ。まだ仕事もたまってるし長居もしてられないしな…」
「なまえさん帰るの?」
「えぇ、ごめんね。大佐って案外忙しいから。今度話の続き聞かせてね」
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