「そうか。それより何か用か?」

「はい、署名と捺印お願いー」


さっき睨めっこしてた書類を渡す…というか押しつける。


「あぁ」

「じゃあ用済んだからあっち行って。中尉とのラブラブランチタイム邪魔しないで」


無茶苦茶だと思った。


「まったくお前なぁ…。あ、休憩終わったら執務室来い」

「うへー。了解。じゃあね」

「またな」


この2人は幼なじみだそうですごく仲がいい。


「中佐、マスタング大佐とは付き合ってるんですか?」

「…げほっ、ごほっ。ちょっと、中尉!いきなり何!?」

「あ、すいません」

中佐は飲んでいたコーヒーにむせる。
聞いちゃいけないことだったかしら?


「恋人同士に見える?」


まさか逆に聞かれるとは思わなかった。
こういう場合は本当のことを言うべきか、嘘をつくべきか…


「……はい」


嘘をついても見透かされそうなので本当のことを言う。


「そうね。普通はそう思うわよね。いろんな噂も流れてるし」

「え、噂…ですか?」

「知らないわけないわよね?」


とぼけたつもりだったが中佐には通用しなかった。




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「見えない臓器の名前は」
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