もうあたしが手を染めなくて済む、と。

だから約束した。


『もう軍とは関わらない』


あまりいい気分ではなかったけどそれでロイが悲しまなくて済むならと思ってたけど…


「悪いな」

「ん?あぁ、大丈夫だよ。ってかねちょっと眠いの」


また嘘をつく。
なるべく自然に自然に…
ロイは何も知らずに頭を撫でる。


「そうか。今日は遅かったしな。花いけたら帰るよ。じゃあおやすみ」

「うん、ありがと。おやすみ」


そう言うとロイはあたしにキスをして花と花瓶を持って部屋を出る。
そしてあたしは布団を深くかぶって寝たふりをする。

数分後にロイが戻ってきて布団をめくりあたしの顔を見て帰っていった。


「…電話、してこよう」


今にも泣き出しそうなのが自分でもわかった。
足も震えた。でも電話しなきゃならないから…。車椅子に乗って公衆電話のあるところへむかった。


「なまえ・みょうじです。はい、大総統お願いします」


保留音が流れ、しばらくすると大総統が出る。


「夜分遅くに申し訳ありません。はい、決まりました。





…軍に戻らせてください」




これだけ言ってあたしは電話を切った。



貴方の為なら


やっぱりね、ロイが一番大事なんだよね。
ロイを守れるならあたしはどうなっても構わない。




-END-




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