「元気か?」

「えぇ、バリバリ元気よ。それより今日は遅いね」

「仕事が長引いてしまってね。悪かったな。……なまえ泣いたか?」


やっぱりばれた。さっきまで泣いてたんだから当たり前か…。


「う…うん。ちょっと本に感動しちゃって」

「なまえが感動なんて珍しいな。俺もその本読もうかな?」

「失礼な事言うよね。本貸そうかと思ったけどやーめた」

「ごめんごめん」


我ながら臭い芝居だと思った。
だけどロイは気づいてないみたいだ。


「なぁ、なまえ。お前軍に戻る気はないだろ?」


一瞬ドキっとした。
一瞬どころかどんどん鼓動が早くなってるのがわかる。


「うん、ロイと約束したじゃん。なんで?」

「いや、大総統がなまえを軍に戻したいという噂を聞いたからな。近付けさせないようにするがなまえも注意してくれ」

「うん」



もう手遅れなのに…。



ロイはあたしが軍に入ることをずっと反対してた。
理由はあたしに傷ついてほしくなくて殺しとかしてほしくないからって聞いた。

だからイシュバールであたしが戦闘不能になったとき、ロイは悲しんだけど喜びもした。




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