本当にごめんなさい。
「入るぞ」
貴方との約束
「はい」
守りたかった。
***
「みょうじ中佐、調子はどうかな?」
久しぶりのロイ以外の訪問者。
キング・ブラッドレイ大総統だ。
「中佐だなんてやめてください。もう軍をやめたんですから」
あの時…イシュバール戦で戦闘不能になったあたしの足。
両足がもう動かない。
ずっと病院でリハビリ中。もう何年経つか。
「そこで相談なんだがもう一度戻る気はないか?」
「え?」
まさかいきなりこんなこと言われるとは思ってなかった。
「君の狙撃の腕を私は高く見てるんだ。遠距離からの射的。これなら足の動きづらい君にでもできるだろう。ぜひまた軍人として君に戦ってもらいたいんだ」
「そんな…。買いかぶりすぎです」
そこで疑問が浮かぶ。
「…あの、あたしの足。動きづらいんじゃなくて動かないんです」
あたしは「もう足が動かない」って言ったはずだ。
「完全ではないがその足、歩くくらいはできるだろう?」
「!?」
何故この人がそれを知っているのか。
誰にも言った覚えはないのに…。
「隠しても無駄だよ」
「…はい」
確かに最近は大分歩けるようになった。
しかし医者にも「もう治らない」と言われた。だからこれは奇跡だ。
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