「みょうじ中佐も一緒にどうですか?」


まただ。


「んー。どうしようかな…」


私のほうをちらっと見るなまえ。


「ぜひ来てください。中佐が来ると華やかになりますし」


階級章もついてない男たちは必死になまえを誘う。

私と彼女が付き合っているということも知らずに…。


「そんな大げさよ。でもなー…久々に行こうかな」

「おい」


耐えられなかった。


「「「マスタング大佐!!」」」

「…」


男たちは敬礼するがなまえだけはそっぽを向く。


「今は仕事中だ。私語は慎みたまえ」

「「「はっ!!」」」


男たちは持ち場へと戻っていく。
もちろんなまえも例外でないが戻ろうとする彼女の腕を掴む。


「…何ですか?」

「話がある。みょうじ中佐はついて来い」

「…」


不満そうな顔をするなまえを強引に執務室へ連れていく。


「なまえ。お前なぁ…」

「今はみょうじ中佐よ。職場では階級で呼べって言ったのはマスタング大佐」


顔は相変わらず私を見ず、目を合わせてくれない。


「そういう事ではない」

「じゃあ何…きゃっ!!」


机の上になまえを押し倒し顔を近付ける。
なまえは頬を赤く染めた。


「何で誘いに乗ろうとしたんだ?」

「…っ!どっかの誰かさんは帰ってくるの遅くて毎日1人でご飯食べるはめになるからよ。だから誰かとご飯に行けばロイも少しは気にしてくれるかなって思ったの」

しゅんと、小さくなるなまえ。
それってもしかして


…嫉妬してほしかったのか?


(ち…違うわよ!!)
(嘘つくな。顔真っ赤だぞ)
(うっさい!!)
(…ごめんな。さみしい思いさせて。毎日もっとできるだけ早く帰るから。他の男と食事するなんて言わないでくれ)
(……うん)



-END-




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