「…ただいま」

「おかえり」


パタパタとなまえはキッチンから走ってくる。


「お葬式お疲れ」

「あぁ」

「やっぱあたしも行ったほうがよかったんじゃないかな…?」


カバンを預けリビングへ入るともう食事はできていた。


「いや、大丈夫だ」

「そっか。…体調は大丈夫?」


心配そうに顔を覗きこんでくる。


「大丈夫だ」

「……嘘つかなくていいよ」


ふと暖かい感触。
抱きしめられていた。


「なまえ…」

「あたしの前でまで強がる必要ないよ」


頭を撫でられる。


「…怖いんだ」

「ん?」

「ヒューズみたくなまえも消えるんじゃないかって…」

「ロイは馬鹿だなー」

「馬鹿で構わないから俺の前から消えないでくれ」

「うん、ずっとロイの隣にいる。だから安心して?」


恐らく、ここが俺の1番安心する場所で


(なぁ、なまえ)
(なに?)
(もう少しこのままでいさせてくれないか?)
(ロイの気がすむまでどうぞ)



-END-




[*前] | [次#]
戻る
「#オメガバース」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -