もう何年もやってるから慣れたものだ。

出来たコーヒーを執務室へ持っていく。


「お待たせしました」

「いや、いつもありがとう」

「いえ」


そう言って大佐はコーヒーに口をつける。

大佐の顔はきれいだと思う。

ふとそんなこと思った。

そりゃあ、こんだけカッコよかったら世の女たちがほっとくわけないよね。


「時に中佐。無駄話をするくらい余裕があったなんてな」

「今日はもうほとんど終わらせました」

「さすが万能なみょうじ中佐だな。そんな中佐の好みは好きになった人…とは」


聞かれてたなんて…。


「盗み聞きですか?」

「いや、かわいいもんだなと思ってな」


かわいいと言われ、お世辞とわかっているつもりだけど体温があがるのがわかる。


「……じゃー聞きますけどそういう大佐のタイプはどんなですか?」

「太ももかな」


そういえばだいぶ昔に女子の軍服をミニスカにするとか言ってたかもしれない。


「…そうですか」

「もっと具体的に言えば私の肩くらいの身長でコーヒーを入れるのがうまくて仕事が早い女性が好みだな」

「へぇ…」

「マスタング大佐、会議のお時間です」


ホークアイ中尉が大佐を呼びに来る。


「あぁ、今行くよ。中佐、コーヒーありがとう」


そういうと大佐はコーヒーを飲み干し立ち上がる。


「あ、はい」


大佐が立ったときふと思った。
あたしの身長も大佐の肩までだ、と。


もしかして


あれ?あたし大佐の好みに全部当てはまってる…?



-END-




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