「…頭痛い」




寝起きは最悪だった。頭痛いしぼーっとするし。結局昨日はあの後部屋に戻りまた泣いてしまって、目元を冷やしてから寝たけど起きたら目蓋に違和感。多分腫れているだろう。
おまけに風呂にも入らず寝てしまったから今から入らなきゃ。




「おはよーハンジ。昨日も楽しかった?」


「おはようなまえ!あの子たちの話聞いてほしいのは山々なんだけどさ…リヴァイと何かあった?」




今日も朝から果てしない巨人談義を覚悟してたのにまさかリヴァイの名前が出てきて驚いた。




「…何で?」


「いや、あれ見てみなよ」




昨日の現場を誰かが見ていたのかと少し考えるがどうやら違ったよう。人殺せそうだよ、とハンジが控えめに指差す方向には食事中のリヴァイ。
…何あれすごく機嫌悪そう。殺気が出てるし。




「わたしは知らない」


「え、そうなの?なまえが知らないなんて。何をあんなに怒ってるんだろうね、まぁどうでもいいけど。ところで昨日の実験なんだけどさ!」




いただきます、とハンジはご飯を食べながら昨日の巨人の話をし始める。
なんだろう、ハンジが話してるのはわかるけど内容が頭に入ってこない。




「おい、クズ。お前昨日の夜…どうしたなまえ!?」




リヴァイがすごい剣幕でこちらに向かってきて話しかけてくるのはわかった。だけどそこでわたしの記憶はなくなった。




***




「……彼…を他…に……知……い…な」




パタン、とドアが閉まる音で意識が覚醒した。
目を開いて上半身を起こせばぺたっと額から塗れタオルのようなものが落ちる。





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