壁外調査は好き。だけど終わった後は嫌い。

わたしは暗闇の中にいた。遠くに出口のようなものが見えて、それを目指して走る。
近づいてみるとおかしなことに気づく。目を凝らせば調査兵団の服を纏った骸骨や皮膚が爛れて原型を留めてない何かがわたしに向かってくる。逃げるんだけど全然前に進めなくてそいつらに食べられるのだ。




「…っ、」




また夢だ。辺りを見回せば自室のベッドの上でほっとする。
外壁調査が終わった後にはいつも夢見が悪い。
小型の冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し行儀が悪いけどコップに入れずそのまま口をつけて飲む。




「気持ち悪い」




全身汗をかいていて不快だったからシャワーを浴びに浴室へと向かう。
今回は協力して倒すのではなくリヴァイに助けてもらった。最近久しく助けてもらうことなんてなかったせいかかなり引きずっている。…でも終わったことを悔やんでもしょうがないのだ、反省会終わり!次頑張る!

シャワーを浴びてすっきりしたところでハンジの部屋を訪ねようと自室のドアノブに手をかける。




「ん?」




床とドアの間に2つ折りの紙が挟まっているのが見えてそれを手に取り広げる。




『なまえへ。今日壁外調査後だから添い寝してあげようかと思ってたんだけど捕獲した巨人くんの調子悪くてどうしても見に行かなきゃいけなくて落ち着くまで添い寝してくる。もしかしたら今日は一緒に寝れないかも』




「…ハンジのクソ眼鏡」





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